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メンズファッション都市伝説:男がヒールを履く時代があった?

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17世紀の男性が高いヒールのあるブーツを着いているシルエット

メンズファッション都市伝説:男がヒールを履く時代があった?

はじめに:ヒールは女性のもの?

多くの男性にとって、ヒール付きの靴は女性のファッションアイテムという印象が強いでしょう。しかし歴史を紐解くと、かつては男性が高いヒールを履くことがステータスの象徴だった時代が存在しました。このエピソードはあまり知られておらず、聞く人によっては「都市伝説かも?」と感じるかもしれません。本記事では、ヒールの誕生と男性に愛用されていた理由を歴史資料とともに紹介しつつ、40代の男性にも役立つスタイルのヒントをお届けします。

ヒールの起源は馬上にあり

高いヒールが誕生したのは16〜17世紀のペルシャでした。当時の騎兵は、馬の上で身体を安定させるために踵の高い「ガレシュ」と呼ばれる乗馬用ブーツを履いていました。高いヒールは馬の鐙(あぶみ)に足を引っ掛けるための機能的な構造であり、長距離を移動しながら弓矢で戦う騎兵にとって必須の装備でした。その後、ペルシャの使節団や商人がヨーロッパに高いヒールを持ち込み、ヨーロッパの貴族たちの目に新鮮なスタイルとして映りました。馬術が貴族のたしなみだった時代、ヒールを履く/ことは「自分は乗馬に熟達した身分の高い人間である」という暗黙のメッセージだったのですルイ14世と赤いヒール

ヨーロッパに渡ったヒール文化を広めた代表的な人物がフランス王ルイ14世です。彼は身長を高く見せるためだけでなく、権威を示すために鮮やかな赤いヒールを履いて宮廷を歩きました。王の許可を得た者だけが赤いヒールを履くことを許され、ヒールの高さや色が社会的地位を表す記号となっていきますこのように、17世紀のヨーロッパでは「男性×ヒール」は富と権力の象徴だったのです。

なぜ男性はヒールをやめたのか?

ところが18世紀後半から19世紀にかけて、男性の服装は大きく変化します。啓蒙主義の影響や産業革命によって、華美な装いを避け、合理的で機能的な服を好む流れが生まれました。英国の伊達男ボー・ブランメルの影響もあり、男性の衣服はシンプルなカットと落ち着いた色合いへシフトし、華やかなヒールは「女性らしい装飾」と見なされるようになります。いわゆる「男性の大いなる放棄」(Great Male Renunciation)と呼ばれる現象で宝石やレース、ヒールといった装飾が男性の装いから姿を消していきました6】。こうして、男性がヒールを履く文化は歴史の舞台から退場したのです。

40代男性が学ぶべきポイント

都市伝説として語られる「男もヒールを履いていた」話の中には誇張もありますが、歴史を知ることでファッションの自由度は広がります。現在でもウエスタンブーツやデザイナーズブーツなど、ヒールの高い靴は男性向けに展開されています。40代の男性が取り入れる際は、次のポイントを意識すると上品に見えます。

  • スタイルに合わせる:ジーンズやジャケットスタイルにウェスタンブーツを合わせると、足長効果が得られスタイルがまとまります。ビジネススーツに取り入れる場合はヒールの高さを抑え、上質な革素材のブーツを選びましょう。
  • 色や素材にこだわる:黒や濃い茶のブーツは落ち着きと品格を演出します。ワインレッドやネイビーなど深みのある色を選べば、40代ならではの渋さを表現できます。
  • 姿勢と歩き方を意識する:ヒールのある靴は自然と背筋が伸びるため、姿勢を意識することでスタイルが良く見えます。慣れないうちは長時間履き続けず、徐々に馴染ませていきましょう。

まとめ:都市伝説か、真実か?

「男性がヒールを履いていた」という話は半分は真実、半分は都市伝説といえるかもしれません。歴史的に実際にヒールは乗馬用ブーツとして男性に重用され、王侯貴族の権力の象徴でもありました。しかし、現在の女性用ヒールのような細いピンヒールとは異なり、実用性と威厳を兼ねたデザインでした。そして啓蒙時代以降の服装改革によって男性用ヒールは消え去り、現代では一部のブーツやファッションアイテムとして生き残っているに過ぎません。都市伝説として語られるエピソードには誇張や脚色もありますが、ファッションの歴史と合わせて知ることで、自分のスタイルを楽しむヒントになるでしょう。40代の男性も、時には歴史や伝説に思いを馳せながら、新しい装いに挑戦してみてはいかがでしょうか。

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